高尾駅の南北自由通路で工事委託契約を9/18可決!約29億円で2031年度供用目指す

高尾駅周辺の整備後の平面図。黄色の自由通路が北口から線路をまたいで新南口(仮称)まで延び、途中に緑色のJR橋上駅、右に青色の京王高尾駅(移転)があり、「24時間無料で通行可能(バリアフリー対応)」と書かれている ニュース

2026年9月18日(金)、八王子市議会は、高尾駅の北口と南口を結ぶ「南北自由通路」の新設工事をJR東日本に委託する契約の議案を可決しました。

契約金額は約29億2,520万円で、八王子市は2031年度に自由通路と新しい駅舎の供用を始め、2034年3月に整備工事を終える予定としています。

議案第100号「高尾駅南北自由通路新設工事委託契約の締結について」を可決

八王子市議会の「令和8年(2026年)第3回市議会定例会」のページによると、議案第100号は都市環境委員会に付託されて2026年9月10日(木)に委員会で審査され、9月18日(金)に可決されました。

八王子市が公開している令和8年第3回定例会の議案と議案の概要では、契約の内容は次のとおりです。

  • 契約の目的: 高尾駅南北自由通路新設工事
  • 契約金額: 29億2,519万8,456円
  • 契約先: 東日本旅客鉄道株式会社 八王子事業本部
  • 契約期間: 議決後から2034年3月31日(金)まで
  • 工事内容: 延長74.73m、幅員9.5m~14.0m(有効幅員6.0m)の南北自由通路の新設
  • 議案の提出: 2026年9月1日(火)、八王子市長 初宿和夫

議案の概要では、高尾駅周辺での鉄道による地域分断を解消し、人の往来や利便性を高めることが目的とされています。

第3回定例会の会期は9月1日(火)~10月7日(水)で、議決を受けて八王子市とJR東日本が契約を結ぶ流れです。

総事業費は約88億5,335万円、八王子市の負担は約78億1,424万円

議案の概要には、八王子市とJR東日本が行う高尾駅の整備事業として、「南北自由通路の整備」と「自由通路の整備に伴うJR高尾駅施設の建て替えと移転」の2つが示されています。

  • 南北自由通路の整備: 29億2,519万8,456円(全額を八王子市が負担)
  • JR高尾駅施設の建て替え・移転: 59億2,815万5,383円(八王子市48億8,904万4,861円、JR東日本10億3,911万522円)
  • 合計: 88億5,335万3,839円(八王子市78億1,424万3,317円、JR東日本10億3,911万522円)

今回の議案で議決の対象になったのは、このうち南北自由通路の整備にかかる契約です。

予算は2026年度から2033年度までの債務負担行為として78億4,724万5千円が設定され、財源は国庫支出金10億2,500万円、都支出金5億1,250万円、市債55億8,100万円、一般財源7億2,874万5千円とされています。

八王子市公式ホームページの「高尾駅周辺整備事業について」によると、八王子市は2012年度に制定した高尾駅周辺整備基金条例に基づいて、これまでに約22億円を積み立ててきました。

今は入場券を買って構内を通るか、初沢踏切まで遠回り

高尾駅はJR中央線と京王高尾線の駅で、北口側にJRの木造駅舎、南側に京王高尾駅があり、線路で北と南が分かれています。

八王子市の事業概要図では、北口と南口を行き来するには、JRの入場券を買って駅構内の跨線橋を渡るか、東の初沢踏切を回る必要があると説明されています。

高尾駅周辺の現在の平面図。中央に京王高尾駅とJR高尾駅があり、緑の線で入場券を購入してJR駅構内の東京方こ線橋を通る有料のルート、赤の線で初沢踏切を使って迂回する無料のルートが示されている。左下にJR高尾駅の木造駅舎の写真がある

高尾駅の北口と南口を行き来する現在のルート(出典:八王子市公式ホームページ)

朝日新聞(2026年9月27日)は、1967年に京王高尾駅ができて以来、北口と南口の行き来が八王子市や地元住民にとって60年越しの課題だったと報じています。

同紙は、JRの入場券(大人160円)を買わずに遠回りすると、反対側の改札まで10分ほどかかると伝えています。

2000年11月には、約4万6千人の署名を添えた自由通路整備の要望書が八王子市に出されていました。

24時間無料で通れる橋型の通路、JRは橋上駅に

八王子市の事業概要図によると、整備後は北口から線路の上を通って京王側の新南口(仮称)まで、24時間無料で通れるバリアフリー対応の自由通路ができます。

JR高尾駅は自由通路に改札を設ける橋上駅になり、京王高尾駅の改札も自由通路につながり、自由通路と今の南口の間は「通路(コンコース)」で結ばれる計画です。

高尾駅周辺の整備後の平面図。黄色の自由通路が北口から線路をまたいで新南口(仮称)まで南北に延び、途中に緑色のJR橋上駅とJR改札、青色の京王高尾駅(移転)と京王改札がある。ピンク色の通路(コンコース)が現在の南口へつながり、24時間無料で通行可能(バリアフリー対応)と書かれている

整備後の高尾駅の平面図(出典:八王子市公式ホームページ)

2023年12月14日(木)に浅川市民センターで開かれた事業説明会の資料では、北口、橋上駅、京王線側、新南口にエレベーターを置き、JRの1~4番線の各ホームにもエレベーターを設けるとされています。

自由通路の南北方向の断面イメージ図。左の北口から階段とエレベーターで上がり、中央線の線路の上のJR高尾駅(橋上駅)を通って、右の京王高尾駅と新南口(仮称)へ下りる青い矢印の動線が描かれ、各所にEV設置と書かれている

自由通路の断面イメージ図(出典:八王子市「高尾駅南北自由通路整備事業に関する事業説明会」資料 2023年12月14日)

新南口(仮称)は、浅川小学校方面へ続く市道浅川78号線とつながる場所に階段とエレベーターを設ける計画です。

なお、通路の長さは、今回の議案では工事内容として延長74.73mと書かれ、八王子市公式ホームページの事業概要では自由通路が約100mとされています。議案の数値は今回JR東日本に委託する工事の範囲を示したもので、両者の違いについて八王子市の説明は見当たらないため、本記事では議案の数値を契約の内容として紹介しています。

新南口(仮称)の整備イメージ。左上に住宅と線路の高架下に挟まれた現在の通路の写真、左下にガラス張りのエレベーター棟と階段がある整備後のイメージ図、右に市道浅川78号線から階段とエレベーターで自由通路へ上がる計画平面図が並ぶ

新南口(仮称)の整備イメージ。イメージ図と平面図は2017年度の計画時点のもの(出典:八王子市「高尾駅南北自由通路整備事業に関する事業説明会」資料 2023年12月14日)

供用開始は2031年度、木造駅舎はJRが周辺での再築を検討

議案の概要に示された今後のスケジュール(予定)は、次のとおりです。

  • 2029年度: 京王電鉄株式会社との協定締結
  • 2031年度: 南北自由通路と新駅舎の供用開始
  • 2034年3月: 整備工事完了

東京新聞(2026年9月15日)は、JR東日本が2027年度に仮の駅舎を設けたうえで今の駅舎の解体に取りかかり、自由通路は2032年3月に通れるようになる見通しだと報じています。

八王子市公式ホームページによると、JR高尾駅の木造駅舎は1927年の大喪の礼で新宿御苑に造られた仮停車場の用材を使って建てられたと言われ、八王子市はこれまで旧陵南会館跡地への移築を予定していましたが、JRが今の駅舎の周辺での再築を検討することになったとされています。

駅舎の周りでは、JR高尾駅北口に隣接していた2店が「駅改良工事に伴い」2026年9月30日(水)で営業を終えています。

高尾山への玄関口として観光客も多く使う駅で、南北の行き来が無料でできるようになれば、北口側の甲州街道沿いと南口側の住宅地や商業施設の間の移動が短くなります。

まとめ

今回、八王子市議会で高尾駅南北自由通路の新設工事をJR東日本に委託する契約が2026年9月18日(金)に可決されたことを紹介しました。

契約金額は約29億2,520万円で、駅舎の建て替え・移転を含めた総事業費は約88億5,335万円、このうち約78億1,424万円を八王子市が負担します。

自由通路は24時間無料で通れるバリアフリー対応の橋型通路で、2031年度に新しい駅舎とともに供用を始める予定です。

工事の進み具合や木造駅舎の再築場所は、八王子市公式ホームページの発表をご確認ください。

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