2026年9月4日(金)、東京地方裁判所立川支部で、2021年に八王子市南新町のアパート外階段が崩落し住人女性が死亡した事故の初公判が開かれました。
施工会社の元経営者は、業務上過失致死罪の起訴内容を認めたと、東京新聞と共同通信が伝えています。
9月4日(金)、東京地裁立川支部で初公判
東京新聞の2026年9月4日付報道によると、八王子市のアパートで2021年、外階段の一部が腐って崩れ、転落した住人女性が死亡した事故の初公判が、同日に東京地裁立川支部でありました。
同報道と、共同通信が同日配信した記事から判明している公判の概要は、次の通りです。
- 公判日: 2026年9月4日(金)
- 裁判所: 東京地方裁判所立川支部(東京都立川市緑町4-2)
- 被告: 野口昇被告(78)=静岡県焼津市。施工会社「則武地所」(相模原市、破産)の実質経営者で元会長
- 罪名: 業務上過失致死罪
- 公判での対応: 起訴内容を認めた
- 事故現場: 八王子市南新町のアパート
東京新聞は被告を「実質経営者」、共同通信は「元会長」と伝えており、いずれも則武地所の当時の実質的な責任者と位置づけています。
毎日新聞は2026年3月30日付で、東京地検立川支部が同日、同被告を業務上過失致死罪で在宅起訴したと報じています。
2021年4月17日、築8年の木造3階建てで踊り場が崩落
読売新聞の2021年4月22日付報道によると、事故は2021年4月17日(土)午後2時過ぎ、八王子市南新町のアパートで起きました。
同報道では、3階に住んでいた女性(当時58歳)が1階から2階へ上がろうとした際、踊り場と2階をつなぐ鉄製階段が崩落し、約2メートル下に転落して頭を強打したとされています。
女性は搬送先の病院で4月22日(木)に死亡し、警視庁八王子署が業務上過失致死容疑で調べていたと報じられています。
読売新聞によると、アパートは2013年に完工した築8年の3階建てで、8世帯が入居していました。
東京新聞の2021年4月24日付報道では、当初の設計は鉄骨の階段だったが、実際は踊り場などが木材などで造られ、そこに鉄製階段が取り付けられていたとされています。
同報道では、事故の約2時間前に階段のつなぎ目付近の化粧板が落下し、発見した住民が管理会社に連絡していたとも伝えられています。
起訴状は防水措置の不備と腐食の放置を指摘
共同通信が2026年9月4日に配信した記事によると、起訴状は次のように整理しています。
アパートの建築時に、外階段の木製踊り場部分の防水措置を怠ったとされています。
その後、腐食が進行したのに修繕せず、2021年4月に階段が崩落して女性を転落させ、頭部損傷により死亡させたとされる、ということです。
東京新聞も同日、起訴状などとして、木製の踊り場の腐食を補修しないまま放置し、4月17日に崩落事故を起こして地面に落下させ、同22日に死亡させたと伝えています。
読売新聞の2021年5月2日付報道では、階段を支える踊り場の木材に、建築基準法施行令で定められた防腐処理がされていなかったとして、警視庁が則武地所や設計事務所など計7か所を捜索したとされています。
検察は別の建物でも危険を把握していたと主張
東京新聞によると、検察側は冒頭陳述で、建築時に踊り場に必要な防水措置をしなかったため腐朽したと指摘しました。
同社が防水措置を怠った別の建物の階段で負傷事故が発生し、危険性を分かっていたのに対応しなかった、とも非難したと報じられています。
共同通信は、施工に関わる従業員らに防水措置の必要性が正しく周知されていなかった、と検察が指摘したと伝えています。
毎日新聞の在宅起訴報道(共同通信配信)によると、過去に施工した共同住宅で外階段の防水不備を原因とした補修依頼が相次いでいたのに、八王子のアパートの所有者に不備の可能性を告知しなかった、と立川支部は説明していました。
同報道では、被告が警視庁の調べに「苦情があってから対応すればいいと思っていた」と説明していた、とも記載されています。
公判は始まったばかりで、今後の審理日程や判決期日は、2026年9月12日(土)時点の報道では示されていません。
南新町は八王子駅南口に近い市街地
南新町(東京都八王子市南新町)は、JR八王子駅南口から南東へ徒歩圏の住宅地です。
甲州街道(国道20号)の南側、桑都の杜(旧八王子医療刑務所跡地)や子安町の近くに位置します。
山間部ではなく駅前市街地の共同住宅で起きた事故であり、日常の出入りに使う外階段が崩落した点が、市内の木造アパート住民にとっても他人事ではありません。
読売新聞の2021年報道では、則武地所は相模原市や神奈川県厚木市などでも施工実績があり、厚木市では同社施工の16棟のうち1棟で外階段の腐食の疑いが確認された、とされています。
国交省は本事案を受け、木造屋外階段の防腐ガイドラインを作成
国土交通省の「木造の屋外階段等の防腐措置等ガイドライン」(令和4年1月)は、本事故を直接のきっかけとして作成されています。
令和3年4月17日、東京都八王子市内の木造共同住宅の屋外階段(木造の屋外階段と鉄骨造の屋外階段を組み合わせた屋外階段)が崩落し、住民が亡くなる事故が発生した。

八王子市の事故を記したガイドライン冒頭(出典:国土交通省「木造の屋外階段等の防腐措置等ガイドライン」)
ガイドラインは、鉄骨造の屋外階段を木造の踊り場部分などで支持していた構造だったと注記しています。

木造と鉄骨を組み合わせた屋外階段の図(出典:国土交通省「木造の屋外階段等の防腐措置等ガイドライン」)
国は事故後、特定行政庁に対し、同社が施工した他の共同住宅の屋外階段の現地調査を実施するよう要請したと記載しています。
あわせて、令和4年(2022年)1月18日に建築基準法施行規則と関係告示を改正し、設計時の防腐措置の明確化、工事監理と完了検査での照合、維持管理の確保を進めたと説明しています。
八王子市公式ホームページの「建築基準法に基づく定期報告制度」は、建築物の所有者・管理者・占有者に、敷地や構造などを常時適法な状態に維持するよう努める義務があるとしています。
多数が利用する一定規模の建築物は、1年または3年ごとに有資格者の調査結果を特定行政庁へ報告するよう、建築基準法が求めています。
木造の屋外階段がある共同住宅の所有者や管理者は、雨がかりや接合部の腐朽、防水層の損傷がないかを日常的に確認し、異常があれば専門家へ相談することが求められます。
市の定期報告に関する問い合わせは、まちなみ整備部建築指導課(設備担当)、電話042-620-7310です。
まとめ
今回、東京地裁立川支部で八王子市南新町のアパート外階段崩落事故の初公判が2026年9月4日(金)に開かれたことを紹介しました。
東京新聞と共同通信によると、施工会社「則武地所」の元経営者は業務上過失致死の起訴内容を認めました。
起訴状は建築時の防水措置の不備と腐食の放置を指摘し、検察は別の建物でも危険を把握していたと主張しています。
木造の外階段は見た目が新しくても腐朽が進むことがあり、気になる箇所は管理会社や市の建築指導課へ相談し、今後の審理も公式報道で確認してください。



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