八王子市が9/9にツキノワグマ対応マニュアルを策定!都内で初の4段階指針

市役所ロビーに並ぶクマ対策の展示パネルと、黒い等身大のツキノワグマ模型 ニュース

2026年9月9日(水)、八王子市は「八王子市ツキノワグマ対応マニュアル」を公表しました。

策定日は2026年8月26日(水)で、市は都内で初めてのクマ対応マニュアルだと説明しています。

市が9月9日(水)にツキノワグマ対応マニュアルを公表

八王子市は2026年9月9日(水)付けのニュースリリース「『八王子市ツキノワグマ対応マニュアル』を策定」と、公式ホームページ「八王子市ツキノワグマ対応マニュアルの策定」で、マニュアルの公表を案内しました。

本市では、ツキノワグマ出没時における市民の安全・安心な生活の確保を図るため、「八王子市ツキノワグマ対応マニュアル」を策定しました。

策定にあたっては、庁内関係部署で構成するクマ対策プロジェクトチームを中心に、東京都や警視庁、東京消防庁などの関係機関との協議を重ねながら取りまとめたもので、初動対応から防除対策、追い払い、捕獲、緊急銃猟までの対応手順を整理しています。

― 八王子市公式ホームページ「八王子市ツキノワグマ対応マニュアルの策定」(2026年9月9日更新)より
八王子市が2026年9月9日付で出したニュースリリース。タイトルは八王子市ツキノワグマ対応マニュアルを策定で、策定日8月26日、都内初、人の日常生活圏周辺を半径200メートルと定義すると書かれている

マニュアル公表のニュースリリース1ページ目(出典:八王子市公式ホームページ)

ニュースリリースによると、名称は「八王子市ツキノワグマ対応マニュアル」で、策定日は2026年8月26日(水)、関係機関への説明を経て9月9日(水)に公表したとされています。

市は、本マニュアルが東京都内で初めて策定されたクマ対応マニュアルだと記載しています。

東京新聞は2026年8月22日付で、8月21日(金)の会議で警視庁や東京消防庁の担当者も参加して原案が了承されたと報じています。

マニュアル本文は全68ページで、第1章が出没時の対応、第2章が緊急銃猟、第3章が平時の誘引防止です。

  • 名称: 八王子市ツキノワグマ対応マニュアル
  • 策定日: 2026年8月26日(水)
  • 公表日: 2026年9月9日(水)
  • 公開先: 八王子市公式ホームページ(PDFあり)
  • 問い合わせ: 経済産業部獣害対策担当課長(氣賀澤)、電話042-620-7375

2026年春、住宅地近くと生息域で出没が続いた

マニュアル策定の背景には、2026年春以降に市内で続いたツキノワグマの出没があります。

市公式の「元八王子町二丁目におけるツキノワグマの出没について」によると、2026年4月29日(水)20時15分ごろ、元八王子町二丁目で成獣1頭(1メートル超程度)がセンサーカメラに映りました。

映像が確認されたのは5月10日のわな点検時で、市は専門家の見解に基づき体長を「1メートル以上」と判断し、住宅地に近い出没として箱わなを設置したと記載しています。

関連記事: 【注意喚起】八王子市元八王子町で熊が出没!4/29夜に体長150cmを目撃

続いて市公式の「上恩方町におけるツキノワグマの出没について」によると、2026年5月17日(日)午後6時35分ごろ、上恩方町1168番1付近で成獣1頭と幼獣1頭がセンサーカメラに撮影されました。

市は、元八王子町二丁目の事案とは異なり生息域内の出没だと明記しています。

5月22日(金)午後6時頃には、楢原町の松枝橋付近の河川内で「クマらしき動物」の通報があり、市と警察の調査では痕跡は確認されませんでした。

関連記事: 【注意喚起】八王子市楢原町でクマらしき動物を目撃!5/22松枝橋付近、痕跡は未確認

5月30日(土)午後0時10分頃には、元八王子町3丁目の八王子城跡・御主殿の滝付近で入山者がクマを目撃し、翌31日朝には同地点で鳴き声の情報も寄せられました。

関連記事: 【クマ注意】八王子城跡でツキノワグマを目撃!5/30正午に御主殿の滝付近で発見

市公式の「上恩方町におけるツキノワグマの痕跡情報(足跡)について」によると、2026年6月7日(日)には上恩方町の東京都水道局上恩方配水所付近で成獣の足跡が確認されています。

東京都環境局の「TOKYOくまっぷ」では、同年2月1日午前10時5分頃に南浅川町でツキノワグマ1頭(確度「中」)も記録されています。

5月19日にプロジェクトチームを設置し関係機関と手順を整理

日本経済新聞の2026年5月19日付報道によると、市は同日、副市長をリーダーとするクマ対策プロジェクトチームを庁内に設置しました。

同報道では、山間地の小学校児童向けに鈴300個を緊急配布し、山間部の小中学生向けにクマよけの鈴1200個を購入する方針も伝えられています。

市は2026年4月1日(水)に、株式会社野生動物保護管理事務所と獣害対策の連携協定を結び、同日には株式会社Foresters PRO、株式会社EGO、株式会社プロテクトJの3社と緊急銃猟等に関する協定も締結しています。

東京新聞の2026年7月9日付報道によると、石原宏高環境相は7月8日に出没現場を視察し、関東環境局のクマ対策専門官を中心に自治体向け研修を始める意向を示しました。

市の8月17日(月)付け取材案内によると、プロジェクトチームは5月19日設置後に3回の会議を開き、8月21日(金)の第4回会議でマニュアル素案の最終取りまとめを行うとしていました。

ニュースリリースでは、2026年8月25日(火)に環境省が主催した「関東地方におけるクマの市街地出没対策に係る研修会」の知見も踏まえたと記載されています。

NHKは同日、環境省が八王子市で市街地のクマ対策強化に向けた研修を実施したと伝えています。

「人の日常生活圏周辺」は半径200メートル

市が独自に明確化したのが、「人の日常生活圏周辺」という範囲です。

マニュアルの用語定義では、「人の日常生活圏」は住居、広場、生活用道路、商業施設、農地、勤務地、電車や自動車など、人が普段活動する範囲です。

「人の日常生活圏周辺」は、その日常生活圏から半径200メートル以内の地域で、八王子市独自の定義だと明記されています。

根拠として、銃の発射地点の周囲半径約200メートル以内に人家が約10軒ある場所を「人家稠密の場所」とした最高裁判決(平成12年2月24日)が示されています。

「人の日常生活圏外」は、日常生活圏とその周辺以外の山林などです。

ニュースリリースは、山林と住宅地が隣接して緩衝帯(バッファーゾーン)の確保が難しいこと、高尾山など生息域に観光客が多いことを地域特性に挙げています。

そのため、出没後の対応だけでなく、市民と行政が連携して誘引と出没を防ぐことをマニュアルに書いたとしています。

市域の西部山間は高尾山、裏高尾町、上恩方町、初沢町、南浅川町、元八王子町などで目撃が続き、市街地側の浅川沿いでも「クマらしき動物」の通報がありました。

危機レベル1は経過観察、2で追い払い、3と4で捕獲・緊急銃猟

マニュアル第1章は、東京都の対応マニュアルを踏まえた危機レベル1〜4を定め、レベルに応じた組織と現場対応を分けています。

出没地点によってはレベル1から始まらず、最初からレベル3や4になることもあると注記されています。

八王子市ツキノワグマ対応マニュアルの表。危機レベル1は経過観察、2は防除と追い払い、3は捕獲と緊急銃猟を含む対応、4は市街地や観光施設への出没などで捕獲と緊急銃猟と書かれている

危機レベル1〜4の対応基準(出典:八王子市ツキノワグマ対応マニュアル)

レベル1は「経過観察」で、日常生活圏外またはその周辺で遭遇や被害のおそれが低い場合です。

山中での目撃や痕跡の発見が例で、注意喚起、看板、東京都と警察への情報共有が中心です。

レベル2は「防除対策、追い払い」で、日常生活圏周辺で遭遇や被害のおそれが高い場合です。

同じ地域で2週間以内に複数回目撃された場合などが例で、経済産業部担当副市長が「八王子市ツキノワグマ警戒連絡体制」を構築します。

対応は注意喚起、パトロール、現地調査、防除、追い払いです。

レベル3は「防除対策、追い払い、捕獲、緊急銃猟」で、人家への侵入や倉庫被害、クマの滞留、日常生活圏外の人身被害などが例です。

レベル4は「捕獲、緊急銃猟」で、市街地や観光施設など不特定多数の場所への出没、人身被害、交通事故など急を要する危険が例です。

レベル3と4では、経済産業部担当副市長の判断で「八王子市ツキノワグマ対策本部」を設置します。

危機レベル判定フロー図。出没場所を日常生活圏外・周辺・圏内に分け、クマの有無と人身被害の有無からレベル1の注意喚起、レベル2の警戒連絡体制、レベル3と4の対策本部設置へ進む

出没場所と被害の有無でレベルを判定する流れ(出典:八王子市ツキノワグマ対応マニュアル)

通報時は、市委託の専門業者が原則2名以上で現場確認し、獣害対策担当課長が警察と協議してレベルを判断します。

閉庁時は守衛室が受電し、担当到着を待たずに警察へ一次警戒を依頼できると書かれています。

緊急銃猟は4条件を満たした場合の最終手段

緊急銃猟は、2025年9月1日施行の改正鳥獣保護管理法で、人の日常生活圏でも一定の条件を満たせば市町村長の判断で銃器による捕獲ができる制度です。

マニュアルは次の4条件を列挙しています。

  • 場所: 危険鳥獣が人の日常生活圏に侵入している
  • 緊急性: 人の生命または身体への危害を防ぐ措置が緊急に必要
  • 方法: 銃猟以外では的確かつ迅速な捕獲が困難
  • 安全性の確保: 避難等により地域住民へ弾丸が到達するおそれがない

心得では、日常生活圏での銃猟を「人命に関わる最終防衛手段」とし、平時からの訓練が必要だと記されています。

実施時は通行禁止や避難を求める場合があり、市職員の指示に従うよう公式ページで案内されています。

第2章では、初動から計画調整、応援要請、安全措置、実施条件の確認、委託、土地立入り、実行、個体処理、損失補償、出没要因の調査まで11工程が並びます。

市役所1階でパネル展、平時の誘引防止もマニュアルに明記

ニュースリリースによると、パネル展は2026年9月7日(月)~10月6日(火)、市役所本庁舎1階正面玄関北側で開かれています。

内容は生態や出没時の注意、等身大パネル、市の取組、身を守るクイズで、開庁時間内に閲覧できます。

終了後も会場を変えて順次開催する予定です。

ニュースリリース2ページ目。パネル展の期間と場所の下に、市役所ロビーの展示パネルと黒い等身大のクマ模型の写真が並ぶ

市役所1階のパネル展(出典:八王子市ニュースリリース)

第3章は、出没後の対応は事後処理に過ぎず、平時に日常生活圏へ寄せ付けないことが基本だと述べています。

誘引防止は柿やクリの取り残し、生ごみ、米ぬか、ペットの餌、塗料の有機溶剤などに注意し、ヤブを刈り、電気柵などで物理的に侵入を防ぐ内容です。

養蜂箱は夏以降に誘引物になり得るため、電気柵での防除を公式のクマ案内でも求めています。

心得の3点は、出没時こそ冷静に対応すること、緊急銃猟は極限の安全管理、平時の誘引防止が防衛線であることです。

目撃したら110番、問い合わせは獣害対策課

市公式の「ツキノワグマについて」では、走らず静かに後ずさりし、背を向けないこと、石を投げたり大声を出したりしないこと、子グマに近づかないこと、「死んだふり」に科学的根拠はないことが案内されています。

登山時は鈴やラジオで音を出し、単独行動や薄暗い時間帯を避けるよう求めています。

関連する通報先・問い合わせ先は、次の通りです。

  • 緊急時: 110番(警察)
  • 高尾警察署: 042-665-0110
  • 八王子警察署: 042-621-0110
  • 八王子市経済産業部獣害対策担当: 042-620-7375(ニュースリリース記載)
  • 八王子市経済産業部農林振興・獣害対策課: 042-620-7250
  • 東京都多摩環境事務所自然環境課: 042-521-2948

都内の目撃・痕跡は、東京都環境局の「TOKYOくまっぷ」で確認できます。

マニュアルPDFは、市公式の策定ページから閲覧できます。

まとめ

今回、八王子市が2026年9月9日(水)に「八王子市ツキノワグマ対応マニュアル」を公表したことを紹介しました。

2026年春の元八王子町や上恩方町などの出没を受け、8月26日(水)に策定した都内初の4段階指針です。

日常生活圏から半径200メートルを独自定義し、レベルに応じて注意喚起から緊急銃猟まで手順を分けています。

市役所1階のパネル展と公式PDFで内容を確認し、目撃したら安全な場所から110番してください。

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